東北・岩手県の平泉には、「平泉 ─仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群─」が世界遺産として登録されており、5つの史跡を合わせて構成されています。
今回は平泉の観光でレンタサイクルを利用したおすすめモデルコースと、平泉のおすすめグルメを紹介します。
平泉のおすすめグルメとレンタサイクル観光モデルコース
【平泉のおすすめグルメ】わんこそば
平泉のおすすめグルメは、日本三代蕎麦のひとつで、岩手県の代表的なグルメである「わんこそば」。
平泉駅前ロータリーのそばにある「駅前芭蕉館」で、絶品わんこそばを食べることができます。
ちなみにこの辺りからほど近くのところに「芭蕉館」という蕎麦屋がありますが、系列店ではなくまったくの別店舗のこと。ここでもおいしいわんこそばを食べられます。
さまざまな薬味が散りばめられているわんこそばの具材。蕎麦と一緒に食べればそれぞれの味や食感を楽しめます
たくさんあるように見えますが、一つひとつがひと口サイズなので、女性でも気軽に食べられます
次はレンタサイクルで巡る平泉の観光モデルコースを紹介します。
平泉駅レンタサイクル取扱所スワローツアー
自転車を借りるには、平泉駅のすぐそばにあるレンタサイクルショップ「平泉駅レンタサイクル取扱所スワローツアー」がおすすめ。
スーツケースなどの荷物を預かっていただけるので、公共交通機関を利用して訪れた方にはありがたいサービスです。ただし閉店時間(17:00)までに必ず戻るのが厳守ですので、そこはご注意ください。
レンタサイクルのモデルコースをアドバイスしていただけるので、行く順番を伺ってから出発しましょう
今回のモデルコースではまず「達谷窟毘沙門堂(たっこくのいわやびしゃもんどう)」へ向かいます。
なぜなら達谷窟毘沙門堂へは、平泉駅から自転車で約25〜30分かかります。コースの最後にしてしまうと、疲労で行くのが億劫になったり、時間配分のミスで閉店時間までに戻れなくなるリスクがあるからです。体力があって元気なうち、すなわち最初に達谷窟毘沙門堂へ行くことをおすすめしたいです。
それでは平泉駅から達谷窟毘沙門堂へ向かいます。スタートしてすぐに世界遺産「毛越寺(もうつうじ)」がありますが、とりあえずそこは飛ばします。
平泉の市街地を抜けると待ち受けるのは、延々と広がるのどかな風景。この道路(平泉厳美渓線)をひたすらまっすぐ進みます
道路沿いに立ちはだかるように存在する巨石「髢石(かつらいし)」。ここをさらに通り過ぎます
「姫待瀧(ひめまちのたき)」を抜けると、目的地まであと少しです
達谷窟毘沙門堂
征夷大将軍・坂上田村麻呂が征夷を記念して毘沙門天を祀った岩窟「達谷窟毘沙門堂」。
2022年時点では世界遺産ではありませんが、いずれ世界遺産「平泉」の構成遺産のひとつとして組み込まれるかもしれませんので、たいへん貴重な史跡といえるでしょう。
岸壁にめり込んでいるように建てられている毘沙門堂の姿は圧巻です
「岩面大佛」(磨崖仏)も必見です
住所:岩手県西磐井郡平泉町平泉北沢16
参拝時間:夏期8:00~17:00、冬期8:00~16:30
拝観料:大人500円、高校生・中学生100円、小学生:無料(修学旅行や校外学習などの教育旅行は100円)、ほか団体割引などあり
達谷窟毘沙門堂の見学時間の目安はおよそ30分。この後は平泉市街地に戻り、4つの世界遺産の史跡などへ向かいます。
【世界遺産】毛越寺
世界文化遺産「平泉 ─仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群─」の構成遺産のひとつとして数えられている「毛越寺」。
広大な美しい庭園や荘厳な仏教建築の寺院などが必見です。
毛越寺境内にある「松風庵(しょうふうあん)」。ぜんざいや団子などが食べられるので、ゆっくりとひと休みをするのに最適です
立派な佇まいの「毛越寺 本堂」。本尊は薬師如来で、特に健康祈願・當病平癒にご利益があります
景観が見事な「浄土庭園」。時間があればぐるりと一周してみるのもよいです
住所:岩手県西磐井郡平泉町平泉大沢58
参拝時間:8:30〜17:00 ※11月5日~3月4日は8:30〜16:30
拝観料:大人700円、高校生400円、小・中学生200円、ほか団体割引などあり
【世界遺産】観自在王院跡
毛越寺のそばにある「観自在王院跡(かんじざいおういんあと)」は現在は史跡公園となっていますが、建立当時は2つの阿弥陀堂があったといわれています。
今では地元の人々が過ごす憩いの場となっています
住所:岩手県西磐井郡平泉町平泉志羅山
お次はここから中尊寺へ目指して自転車を走らせます。
観自在王院跡から中尊寺へ向かう途中にある「平泉文化遺産センター」。この近くには「悠久の湯 平泉温泉」という温泉施設もありますので、時間があれば共に訪れてみてはいかがでしょう
今回のモデルコースでは省略しましたが、世界遺産文化センターの背後には、中尊寺と毛越寺のほぼ中間に位置する「金鶏山(きんけいさん)」があり、こちらも構成遺産のひとつとして数えられています。
【世界遺産】中尊寺
平泉観光のハイライトともいえるのがこの「中尊寺」。
中尊寺は嘉祥3年(850)に比叡山延暦寺の高僧・慈覚大師円仁(じかくだいしえんにん)が開山したと伝えられています。
広大な敷地内には、いくつもの寺院やお堂などがあり、それぞれを見て回って観光を楽しむのもよいでしょう。その中でいちばんの必見スポットが、国宝「金色堂」です。
立派な杉が並ぶ「月見坂」。数多もの参拝者が歩んだ参道です
見事なアカマツが目を引く「中尊寺 本堂」
中尊寺に伝わる寺宝や資料などを展示している「讃衡蔵(さんこうぞう)」。右側にある発行所で拝観券を購入します
中尊寺のメインの観光スポットである国宝「金色堂」。堂内は撮影禁止なので掲載できないのが残念ですが、中には荘厳な金色堂が祀られており、黄金に光り輝く仏像群も圧巻です
かつては金色堂を風雪から守っていた「旧覆堂(きゅうおおいどう)」。鎌倉時代に建てられた重要文化財の貴重なお堂で、現在の場所に移築されました
中尊寺の敷地内にあるかんざん亭。店内から見る眺望がよく、自然薯そばやケーキセットが食べられます
住所:岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関202
参拝時間:8:30~17:00(3月1日〜11月3日)、8:30~16:30(11月4日〜2月末日)
拝観券:大人800円、高校生500円、中学生300円、小学生200円(讃衡蔵・金色堂・経蔵・旧覆堂のみ)。ほか団体割引などあり
中尊寺の入り口そばの広場にある「武蔵坊弁慶墓碑」
中尊寺の入り口そばにある土産物店「らら・いわて平泉店」。岩手県の特産品が購入できるほか、コロッケやソフトクリームなどが食べられるので、小腹がすいた時にはちょうどいいです
スウィーツとしては贅沢な逸品である「平泉ぷりんそふと」。烏骨鶏の卵を使った濃厚なプリンと、牛乳のやさしい風味が口の中に広がるソフトクリームの組み合わせはもはや反則です
中尊寺の観光が終わりましたら、お次は世界遺産の寺院跡地へ向かいます。
【世界遺産】無量光院跡
かつては京都の宇治にある平等院鳳凰堂を模して建てられた寺院があった「無量光院跡」。
今では見る影もありませんが、荘厳な佇まいだったに違いない当時の姿に思いを馳せてしまいます
住所:岩手県西磐井郡平泉町平泉花立
無量光院跡を出たら、あとはレンタサイクルショップへ戻り、自転車を返却してモデルコースは終わりです。
戻る途中に時間がありましたら、ちょっと寄り道をして「道の駅 平泉」へ行ってみてはいかがでしょう
「道の駅 平泉」では岩手県の特産品などを購入できます。食事もできるので自家用車で訪れた方にとって、ひと休みできる場として重宝できる存在です
アクセスがいい平泉で効率よく観光を楽しみましょう
平泉は新幹線が停車するJR「一ノ関駅」から東北本線に乗り約8分、JR「北上駅」からは東北本線に乗り約30分で辿り着けるので、公共交通機関のアクセスは比較的良好といえます。
2022年時点では一ノ関駅と平泉駅ではSuicaを利用できますが、平泉より北では利用できないのでご注意ください。なお、2023年春頃から北東北3県(青森・秋田・岩手)においてSuicaが利用できる駅が増えるそうです(参考:JR東日本ニュース)。
利便性がますます向上しつつある東北地方へ赴き、観光を存分に楽しんでみてはいかがでしょう。
以上、平泉のおすすめグルメとレンタサイクル観光モデルコースを紹介しました。
ご参考にしていただけましたら幸いです。