昔ながらのレトロな佇まい。下駄を履いて歩く音が鳴り響く石畳。ノスタルジックな情緒溢れる長野県にある温泉街といえば、知る人ぞ知る渋温泉。国内外問わず観光客にたいへん人気の温泉郷です。今回は古き良き日本の雰囲気が訪れる人々を魅了する長野県の渋温泉観光について紹介します。
ノスタルジックな情緒溢れる渋温泉の観光
渋温泉はゆっくりとひと周りしても30分もかからないくらい、コンパクトな温泉街です。石畳を一本道をそぞろ歩けば、外湯やおみやげ屋、食事処や歴史を感じる日本家屋と旅館など、見て回るだけでも充分楽しむことができます。
なお、渋温泉への行き方・アクセスは、別記事の【長野県の人気観光地】渋温泉の行き方・アクセス方法をご参照ください。
渋温泉のハイライト・九つの外湯めぐり
渋温泉観光のハイライトは、なんといっても厄除巡浴外湯めぐりの“九湯めぐり”です。九湯めぐりは渋温泉の旅館に宿泊した方のみが入浴する事ができる九つの外湯のことです。渋温泉の外湯には、一番湯から九番湯まであり、それぞれ効能が異なりますので順を追って紹介していきます。
旅館内にあった厄除巡浴外湯めぐりの額縁。なお、この額縁と同じデザインの巡浴手拭いは各宿で販売しているそうです
九湯の入り口の鍵。宿泊先の旅館でお借りすることができます。この鍵がないと九湯に入ることができません
それでは九湯の各湯を紹介していきますが、回りくどい説明は抜きにして、湯の名称と効能のみ簡潔に書いておきますね。
一番湯・初湯(はつゆ)
効能:胃腸によく効くことから、別名「胃腸の湯」とも呼ばれます
二番湯・笹の湯(ささのゆ)
効能:病気の快復時に効果があり、「仕上げの湯」とも呼ばれます
三番湯・綿の湯(わたのゆ)
効能:切傷や皮膚病などによく効く
四番湯・竹の湯(たけのゆ)
効能:慢性痛風に効く
五番湯・綿の湯(わたのゆ)
効能:神経痛や病気の回復時によく効く
六番湯・目洗の湯(めあらいのゆ)
効能:その名の通り、目の病を癒したといわれており目に効くそう
七番湯・七繰の湯(ななくりのゆ)
効能:外傷性の傷害や病気の快復期によく効く
八番湯・神明滝の湯(しんめいだきのゆ)
効能:婦人病によく効き、子宝に恵まれる湯といわれています
九番湯・大湯(おおゆ)
効能:万病に効く。九湯めぐりの総仕上げ、大トリで結願を込めて入浴しましょう。九番湯には蒸し風呂と足湯もあります
一番湯から九番湯まで紹介しましたが、場所も順番通りに位置していませんし、効能もバラバラです。ちなみに私は馬鹿正直に一番湯から九番湯まで順番通りに入りましたが、番号を無視して効率良く端から端へと巡るもよし。効能によって順番を変えて巡るもよしです。
渋温泉の案内図はこちらのページで確認できます。
渋温泉の魅力を写真でお届け
ここでは渋温泉の九湯めぐり以外の魅力・見どころを写真で紹介いたします。
なんか雰囲気がレトロすぎて謎に包まれているスナックがあります
歌恋会館はどんなところかというと…
温泉街の象徴、卓球台が置いてありました
路地を一本入ると、まるで本当にタイムスリップしたかのような情景が目の前に広がります
温泉街の定番である射撃場もありました
足湯・休足処「信玄」
九番湯の向かいにある階段を上っていくと、この渋薬師庵があります
横湯川にかかる渋湯橋にある大提灯
信玄ゆかりの寺・横湯山温泉寺
横湯川沿いにある歴史的建造物・旧臨仙閣
ほかにもまだまだ見どころがありますが、これくらいにしておきます。
ちなみに渋温泉を散歩中、ニホンザルを見かけました。普通に屋根の上をつたっていました。私はその時ビニール袋(食べ物は入っていない)を持っていたので、食べ物と間違われて襲われちゃうんじゃないかとヒヤヒヤしていましたが、そのまま去って行きました。そのためか、おみやげ屋さんなどはサルが入ってきちゃうので常に戸が閉まっています。
渋温泉街はニホンザルとちゃんと共存しているみたいですね。
渋温泉のおすすめ宿
渋温泉には約30ほどのホテル・旅館がありますが、そのなかで2館だけ抜粋して紹介いたします。
歴史の宿 金具屋
渋温泉の旅館の代表的な存在である「金具屋」。国の登録有形文化財に認定されている金具屋はその佇まいから、スタジオジブリ映画の「千と千尋の神隠し」の湯屋のモデルではといわれているほどです。たくさんの観光客が金具屋の前で記念撮影をしています。金具屋の宿泊客限定で参加できる文化財見学ツアーが毎日夕方にあり、そのなかでも特に1階の廊下の雰囲気は、まさにジブリワールドを飛び越えた異世界空間です。
ライトアップされたきらびやかで美しい金具屋の佇まい
国の登録有形文化財が記された木製の看板
住所:長野県下高井郡山ノ内町平穏2202
TEL:0269-33-3131
もやいの宿 いかり屋旅館
いかり屋旅館は金具屋の向かいに位置し、渋温泉の中心にある好立地で、明治創業の木造三階建ての純和風旅館です。旅館内は本当に明治・大正から時間が止まったかのような雰囲気。比較的リーズナブルな値段で宿泊できて、数は限られますが、金具屋を眺望できる部屋がありますので、そこを予約することができれば、金具屋の外観を部屋でくつろぎながらご覧になれて、その景色を独り占めできる魅力があります。そのためいかり屋旅館の前では、たくさんの観光客が写真撮影しています。
朝食はいかり屋旅館の名物「招富九膳」
住所:長野県下高井郡山ノ内町大字平穏2197
TEL:0269-33-3168
昭和レトロ、ノスタルジックな情緒、古き良き懐かしき日本、浴衣を着て下駄を履いて石畳を歩いて巡る外湯、どこを切り取っても訪れる人々を魅了する長野県の渋温泉。
コロナウイルスが可能な限り早く収束に向かい、誰もが温泉を楽しめるひとときが訪れることを願っております。
以上、長野県・渋温泉の観光を紹介しました。ご参考にしていただけましたら幸いです。
※渋温泉の公式サイトはこちらです