全国の人気温泉地ランキングで常に上位に入る、秋田県の秘湯「乳頭温泉郷」。
秋田県の山奥に位置するにもかかわらず、数多くの観光客がこぞって訪れています。
乳頭温泉郷には8つの宿泊施設があり、そのうち「鶴の湯別館 山の宿」を除いた7つの宿で、日帰り温泉を楽しむことができます。
そこで今回は乳頭温泉郷で最古の宿「鶴の湯温泉」と、日帰り温泉について紹介します。
乳頭温泉郷のアクセス
まずは乳頭温泉郷のアクセス方法を紹介します。
今回は公共交通機関でのアクセスを紹介したいので、車の場合の説明は少しだけにします。
【車の場合】
東北自動車道「盛岡IC」より約56km
秋田自動車道「大曲IC」より約62km
車で行く場合はたいへんそうですね(他人事)。
お次は公共交通機関の場合を紹介します。
まずはJR「田沢湖駅」(上の写真)から出発します。
羽後交通バス乳頭線「乳頭蟹場温泉行き」に乗り、約35分で自然ふれあい温泉館「アルパこまくさ」に到着します。
「鶴の湯温泉」および「鶴の湯別館 山の宿」に行く場合は、「アルパこまくさ」で降車し、送迎バスに乗り込みます。
それ以外の宿は「アルパこまくさ」で降りずに、その先にある各バス停で降車します。
駅前のロータリーにあるバス停から路線バスに乗ります
田沢湖駅のバス停の時刻表。最新の時刻表はこちらでご確認ください
お次は乳頭温泉郷で最古の宿「鶴の湯温泉」での宿泊体験について紹介します。
乳頭温泉郷 鶴の湯温泉で宿泊
寛永15年(1638)に秋田藩主の佐竹義隆が湯治に訪れた記録が残っているという、乳頭温泉郷で最古の宿である「鶴の湯温泉」。
築100年以上の茅葺き屋根の本陣は、国の登録有形文化財に登録されており、現在は宿泊棟として利用されています。
登録有形文化財に宿泊できるという貴重な宿泊施設であり、日本秘湯を守る会の会員でもあります。
こちらは本陣ではなく二号館のお部屋。六畳一間のこぢんまりとしていますが、ゆっくりとくつろぐには充分です。1人で宿泊できる部屋は、二号館と隣接する三号館のみです
温泉内は撮影不可なのでご注意を。源泉は黒湯、白湯、中の湯、滝の湯の4つを有しており、ちなみに混浴露天風呂の源泉は白湯です
内風呂へ通じる廊下からも歴史と風情を感じられます
日が暮れた後に見られるかまくらのライトアップ。冬にしかお目にかかれない幻想的な光景です
日帰り温泉に来た方のための休憩所。昭和の雰囲気が滲み出ています
秋田の食材と郷土料理をふんだんに味わえる夕食。右下の料理が小町団子で、左上の料理がきのこのホイール焼きです
「秘湯ビール」は日本秘湯を守る会の宿限定なので、訪れたら苦手じゃない方はぜひ味わってみましょう
焼き上がった皮の香ばしさとプリプリの身が絶品である「イワナの塩焼き」
囲炉裏にはいかにもおいしそうな味噌汁のような料理がありました
囲炉裏にあったのは鶴の湯名物の「秘湯の山の芋鍋」です。寒い冬には身に沁みる温かさ、すごくおいしかったです
質素ながらも栄養バランスの取れていて、秋田の食材の良質さが凝縮された朝食をいただけました
ちなみに部屋にも食事をする広間にも、ガムテープが置いてありました。
なぜかというと、寒い真冬でも室内が暖かいため、カメムシが現れるからです。
現に食事中にも何度かカメムシが現れ、そのたびにガムテープで引っ付けて丸めていました。
これは乳頭温泉郷に限ったことではなく、山間にある宿泊施設ではよくあることです。
自然豊かな山間部ならではなので、こればかりは仕方がないことですね。
冬の幻想的な雪景色を眺めながら入る温泉は最高ですが、それ以外の季節でも、鶴の湯温泉はまた違った姿を見せてくれます。
温泉好きなら誰もが憧れているであろう、乳頭温泉郷「鶴の湯温泉」に足を運んでみてはいかがでしょう。
住所:秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林50
TEL:0187-46-2139
公式サイト:http://www.tsurunoyu.com/
予約サイト:近畿日本ツーリスト
お次は乳頭温泉郷の日帰り温泉について紹介します。
乳頭温泉郷での日帰り温泉めぐり
ここでは乳頭温泉郷での日帰り温泉を紹介します。
冒頭でもお伝えしたとおり、8つある宿泊施設のうち、「鶴の湯別館 山の宿」を除いた7つの宿で日帰り温泉を楽しむことができます。
それぞれの宿を周って日帰り温泉をはしごする際、乳頭温泉郷の宿の宿泊者だけが購入できる、お得なチケットがあります。
それが「湯めぐり帖」です(上の写真)。
有効期間は購入日から1年間、その日にすべて回りきれなかったとしても、有効期間内なら後日再び訪れて使うのもよいです。
料金はおとな2,500円(こども1,000円)です(2023年5月時点。料金改定で値上がりすることがあるので、最新の料金はこちらでご確認ください)。
湯めぐり帖があれば、乳頭温泉郷の周遊バス「湯めぐり号」に何度でも乗車することができます。
ちなみに「湯めぐり号」の1日乗車券の役割を果たしている、「湯めぐりマップ」というものもあります。料金は1,000円です(2023年5月時点)。
日帰り温泉を利用する際、それぞれの宿の受付で湯めぐり帖にスタンプを押してもらいます
日帰り温泉を利用できる乳頭温泉郷の7つの宿一覧です
・鶴の湯温泉(10:00~15:00)
・蟹場温泉(9:00~16:00)
・大釜温泉(9:00~16:30)
・妙乃湯(10:30~14:00)
・休暇村 乳頭温泉郷(11:00~17:00)
・黒湯温泉(9:00~16:00 受付15:30まで ※冬季休業)
・孫六温泉(9:00~16:00 ※冬季休業)
※定休日は割愛します
ちなみに私は冬に訪れたので、黒湯温泉と孫六温泉は休業中でした。
鶴の湯温泉に宿泊し、朝一番の周遊バスで最初の日帰り温泉に向かい、最終的には正午頃に羽後交通の路線バスに乗り、田沢湖駅へ向かうというコースでした。
今回はそのモデルコースを紹介します。
湯めぐり号の冬期間の時刻表。通常期間の時刻表はこちらのサイトにてご確認くださいませ
こちらが湯めぐり号です。はっきり言います。普通のマイクロバスです
鶴の湯温泉から朝イチの湯めぐり号に乗って、最初の目的地へと出発します。
蟹場温泉
乳頭温泉郷の1番奥にある「蟹場温泉(がにばおんせん)」は、付近の沢にサワガニが多く住むところから名づけられました。
蟹場温泉には内風呂と露天風呂の2つの浴場があり、それぞれ源泉が異なっています。
「露天風呂 唐子の湯」は、本館より50mほど先の林の中にあります。秘湯中の秘湯って感じで、写真のとおり、冬は積雪でこのような状態でめっちゃ寒いです。それゆえ露天風呂に浸かると温泉の温かさが身に沁みます
蟹場温泉を出たら徒歩で次の目的地へと向かいます。
大釜温泉
「大釜温泉」は木造校舎を移築した一風変わった宿。
もとは学校だっただけに、風貌がその面影を色濃く残しています。
内湯と露天風呂の2つの温泉があります。
夏季限定(4月1日~10月末日まで)で、乳頭温泉で唯一の足湯があり、誰でも利用できるのが嬉しいところです。
大釜温泉を出ましたら、徒歩で次の宿泊施設まで向かいます。
妙乃湯
乳頭温泉の宿泊施設の中でも和風モダンな空間を演出した、ひと際おしゃれな宿泊施設である「妙乃湯」。
鉄分や硫黄が若干含む「金の湯」と、無色透明の「銀の湯」という2つの源泉を有しています。
露天風呂では先達川の渓流を眺めることができ、そのせせらぎを聞きながら浸かれることで評判です。
先に紹介した「蟹場温泉」と「大釜温泉」は昔ながらの温泉宿ですが、「妙乃湯」はアメニティが充実しているので過ごしやすいです。
妙乃湯を出ましたら、最後の目的地へと向かいます。
休暇村 乳頭温泉郷
乳頭温泉郷にある宿泊施設の中で、もっとも近代的である「休暇村 乳頭温泉郷」。
2種類の異なる泉質の源泉を楽しむことができ、アメニティ・浴室設備がもっとも充実しているので、体を洗ってさっぱりすることもできます。
乳頭温泉郷の中で、ゆっくりとくつろぐには最適の宿泊施設です。
休暇村 乳頭温泉郷前のバス停。ここから羽後交通の路線バスに乗って田沢湖駅へと向かいました。田沢湖駅に着いたら、そこでランチを堪能しました
田沢湖駅周辺には、ランチで利用したいおすすめの店がいくつかあります。くわしくは下記の記事をご参照くださいませ。
秋田を旅行してどんどん活気づけていきましょう!
乳頭温泉郷がある東北・秋田県は、47都道府県の中で高齢化と人口減少率がワーストクラスです。
私見ですが、確かに秋田を旅行中に立ち寄った飲食店や宿泊施設を見ると、失礼ですがお年を召した従業員の方々が多く働いていました。
いずれは飲食店や宿泊施設も高齢化などの理由により、どんどんなくなっていくかもしれません。
ただ、秋田にはナマハゲや祭、かまくらなど多彩な文化があり、女優の佐々木希さんを見れば一目瞭然、秋田美人という言葉があるだけに美人の宝庫です。
そして何より、秋田県は米所なだけあってごはんがめちゃくちゃおいしいし、絶品の郷土料理も数多くあります。
ただ、秋田県が将来的に合併したり消滅したりする可能性も否定できません。
おこがましいかもしれませんが、秋田県だけでなく、旅行してお金を費やして地方の経済に活気づけることを、1人では微力ですがどんどんやっていきたいと思っています。
自慢ではないですが、海外旅行が好きな私はこれまで20ヶ国以上を旅してきました。
そんな私だから言えることがあります。日本の宿泊施設や飲食店、お土産、公共交通機関、公共施設などのクオリティとコストパフォーマンスは世界最高レベルです。
魅力的な観光スポットがたくさん存在し、なおかつ自然も豊かな日本を旅行して、どんどん日本を元気にしていきましょう。
もちろんインバウンドも大歓迎です。ただ、地元住民が不便を感じるくらいごった返すのもいかがなものかと思いますが……。
オーバーツーリズムは日本の観光において、最大の課題のひとつともいえますね。
だいぶ話が脱線してしまいましてすみません。これくらいにしておきます。
以上、【秋田の秘湯】乳頭温泉郷の宿泊と日帰り温泉めぐりを紹介しました。
ご参考にしていただけましたら幸いです。
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