年間、約600万人もの参拝者が訪れるという、長野県屈指の人気観光地である「善光寺」。
善光寺周辺や仲見世通りなどには、善光寺ゆかりの魅力的なスポットが数多くあります。
そこで今回は、善光寺の観光・参詣・見どころ・宿坊体験などをご紹介します。
【善光寺巡り】善光寺街道から仲見世通り、そして善光寺へ
善光寺の御本尊は、日本最古の仏像といわれる「一光三尊阿弥陀如来(いっこうさんぞんあみだにょらい)」です。
その御本尊は絶対秘仏(非公開で祀られている仏像)で、決して見ることができません。
ただ、その御本尊の御身代わりとして、「前立本尊」を7年に1度行われる「善光寺御開帳」の際に特別にその姿を拝むことができます。 ※1番最近あった御開帳は令和4年(2022)。
その姿を拝みに、日本各地からたくさんの参詣客がこぞって訪れています。
善光寺はアクセスしやすく、長野駅から徒歩で約20分、路線バスを使えば10分足らずでたどり着くことができます。
まずは善光寺参道の入り口(上の写真)からスタートします。
「仁王門」へ向かって歩いていく途中には、いくつもの宿坊が軒を連ねています。
天真爛漫な童子の姿をした「むじな地蔵」。隣に座るたぬきがなんともかわいい
善光寺 大本願にある「ひとにぎり地蔵尊」。手のひらサイズのひとにぎり地蔵が、お守りとして販売されており、不安な時や気持ちが落ち着かない時に、左手で握りしめて幸せや目的の成就を願ういうのが、このお守りの使い方です
登録有形文化財の「仁王門」。この門に掲げられている額には、善光寺の山号である「定額山(じょうがくざん)」と書かれています
仁王門の左側にある阿形【あぎょう】
対して右側にあるのは吽形【うんぎょう】
2体の像の頭と体のバランスや、筋肉の表現などそれまでの伝統的な日本彫刻にはない、西洋的なスタイルが用いられています。
仁王門を通り抜けて、道路を渡ると仲見世通りに入っていきます。
仲見世通り
現在は飲食店や土産物店、仏具店などが建ち並ぶ「仲見世通り」。
もともとは善光寺の本堂があった場所で、約300年前にあった大火災で焼失した後、現在の位置に再建されました。
仲見世通りはたくさんの観光客や参詣者で、いつも賑わいを見せています。
仲見世通りから脇道に入ったところにある「釈迦堂世尊院」。ここには重要文化財の「銅造釈迦涅槃像(どうぞうしゃかねはんぞう)」が祀られています
旧如来堂跡地蔵尊(延命地蔵尊)の裏にある「地蔵館 松屋旅館」。かつてはこの場所に善光寺の本堂がありました
仲見世通りを抜けると、いよいよ善光寺の境内です。
入ってすぐのところにある休憩所にある、善光寺の参拝案内図。料金や開館時間について、くわしくはこちらをご参照くださいませ
休憩所の中にいる青銅製の「なで牛」。撫でられたところが光っています。それだけ訪れる人々に親しまれているということです
「六地蔵」は、人間が輪廻転生するといわれる、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の6つの世界で、衆生を救ってくださる菩薩様です
享保7年(1722)に造立された「ぬれ仏(延命地蔵)」。江戸の大火を出したといわれる八百屋お七の霊を慰めたものという言い伝えがあります
池一面には見事な「大賀蓮」は、ピンク色の花が咲く夏が見頃です
山門(三門)
国の重要文化財に指定されている「山門(さんもん)」は、寛延3年(1750)に建立されました。
それ以来、大勢の参拝者を本堂に迎え入れてきた歴史のある門で、国内に現存する最大の栩葺(とちぶき)建造物です。
山門の内部を見学することができ、回廊からは長野市の眺望と善光寺の本堂や周辺の寺社仏閣を見ることができます
山門から長野市内が見渡せます。いかに仲見世通りが賑わいぶりを見せているかを、垣間見ることができます
山門から見る善光寺の本堂の荘厳な外観。参拝客がたくさん訪れています
網が邪魔くせえなぁって、回廊から景色を眺めている間ずっと思っていました。
なぜ山門に網がかかっているのか、くわしくはわかりませんが、おそらく鳥の糞害や巣を作るのを防ぐためなんじゃないかなと思います。
重要文化財を護るため、致し方のないことですね。
善光寺 本堂
山門をくぐり抜けると、善光寺の本堂が見えてきます。
内部は外陣(げじん)、内陣(ないじん)、内々陣(ないないじ)に分けられており、最奥の瑠璃壇(るりだん)には、御本尊・一光三尊阿弥陀如来が祀られています。
内部は写真撮影禁止なので、画像でお伝えすることができませんが、本堂内陣の拝観や、御本尊の真下を通る「お戒壇巡り」を体験できます。
御朱印・御供養・御祈願・法要も受け付けていますので、くわしくは善光寺の公式サイトをご覧くださいませ。
本堂の前にある「大香炉(だいこうろ)」。本堂に入る前に線香を供え、その煙で心身を清浄にし、また体につければ無病息災、病気平癒の功徳が得られるといわれています
「善光寺 大勧進」の住職が本堂に向かう様子を見学できます。この時は10:55だったので、おそらく11:00から始まる天台宗の日中法要を行うためです
本堂の裏側にある「徳川家大奥供養塔」。善光寺は徳川将軍家から篤く信仰されていました
宝暦9年(1759)に建立された「経蔵(きょうぞう)」。内部には「八角の輪蔵(りんぞう)」があり、時計回りに1周押し回すと、収められた『一切経』をすべて読んだことと同じ功徳(くどく)が得られるといわれています
三重塔「日本忠霊殿」。中には「善光寺史料館」があり、善光寺所蔵の什物(じゅうぶつ)が展示されています
善光寺の参拝に訪れた後、もし時間と興味がありましたら「長野県立美術館 東山魁夷館」にも行ってみましょう。
長野県立美術館 東山魁夷館
「長野県立美術館」には、長野県出身または長野県に関係の深い芸術家の絵画、彫刻、水彩、素描、版画、工芸、デザイン、写真、映像などが展示されています。
隣接する「東山魁夷館」には、日本画家・東山魁夷(ひがしやま かいい)の代表作『緑響く』など、いくつもの作品が展示されています。
なんかよくわからないけど、美術館から水蒸気みたいなスモークが出てきたのに驚きました。来館した子どもたちがはしゃいでいました。何かのアトラクションかな?
住所:長野県長野市箱清水1-4-4
営業時間:9:00〜17:00(展示室入場は16:30まで)
定休日:毎週水曜日(原則、水曜日が祝日の場合は翌平日)、年末年始(12/28〜1/3)。それ以外はカレンダーをご確認ください
入館料:一般700円、大学生及び75歳以上500円、高校生以下または18歳未満は無料
※コレクション展(本館NAMコレクション・東山魁夷館コレクション共通)。団体割引などあり
公式サイト:https://nagano.art.museum/
善光寺の宿坊へ泊まろう!
善光寺へ訪れたなら、ぜひ体験してほしいのが「宿坊」です。
精進料理を堪能したり、写経を体験できたり(宿坊による)、お朝事(あさじ)に申し込んで参加することもできます(お朝事は別料金でした)。
夕食の精進料理。質素に見えるがすべておいしかったです。とくに中央にあるゴマで覆われた四角い「港揚げ」は絶品でした
左側にあるのが「いちじくの天ぷら」。いちじくを赤ワインで煮たものを揚げた甘い味わいの天ぷらで、スウィーツのような感覚で食べられます。食感は正直いって表現しがたいです
「石餅の花」というご飯と、「なめこと三つ葉のお蕎麦」。七味唐辛子はやっぱり、八幡屋礒五郎ですね
早朝に行うお朝事。住職が来るのを待っています
お朝事から帰ってきましたら、栄養バランスの取れたおいしい精進料理の朝食が用意されています
お朝事とは善光寺すべての僧侶が出仕して行われる法要で、1年を通して毎日欠かさず行われています。
宿泊した宿坊のスタッフさんがガイドになり、善光寺の本堂へ行く道中、いろいろと説明していただけます。
朝は観光客や参拝客が少ないので、ゆっくり見学することができます。
お朝事では参拝者からの供養・祈願を受け付けていますので、ぜひやってみましょう。そのほか、法要の後に先ほど紹介した「お戒壇巡り」もできます。
ちなみに私が訪れたのは10月末ですが、長野市の朝は寒かったです。
本堂の中も暖房が効いているわけではないのでとても寒く、とくに床は冷たいので正座していると足が冷えてきます。
そのため、時期によっては本当に寒いので、防寒対策はしっかりやっておきましょう。
そのような環境下で、毎日欠かさずお朝事をしている僧侶の方々には、本当に頭が下がります。
お朝事は日帰り旅行ではまず体験できない、貴重な朝の法要です。
宿坊に泊まって早朝にお朝事に参加することを、おすすめしたいです。
以上、善光寺の見どころ・観光スポット・宿坊を紹介しました。
ご参考にしていただけましたら幸いです。
・ブッキングコム【Booking.com】
・エクスペディア【Expedia】
・アゴダ【agoda】
・楽天トラベル
・JTB
・るるぶトラベル
・じゃらん
・一休.com
※検索の結果、善光寺のいくつかの宿坊は楽天トラベルから下5つのサイトにありました(楽天トラベルが1番多い)。なお、善光寺の宿坊についてくわしくは、こちらをご参照くださいませ