イギリス北部・スコットランドにあるラナークという町は、なんの変哲もない田舎町だけど、そのような場所に世界中から観光客が訪れる世界遺産の紡績工場があります。
その名はニュー・ラナーク(New Lanark)。今回はスコットランドの世界遺産、ニュー・ラナークについて紹介します。
ニュー・ラナークとは?
ニュー・ラナークは、産業革命時にクライド川(River Clyde)沿いに建てられた紡績工場と労働者用の住宅地の複合施設です。その当時、この紡績工場は英国一の生産量を誇ったほどでした。
このニュー・ラナークでイギリスの実業家、社会改革家、空想的社会主義者であるロバート・オーウェン(Robert Owen)が工場の経営者として、劣悪な労働条件の改善、作業の効率化、社会保障、子どものための幼稚園や学校の設立といった、ロバート・オーウェンの理想を実践していった壮大な実験場でもありました。
ニュー・ラナークにある工場は当時の様子がよく保存されていて、2001年にユネスコの世界文化遺産として登録されました。
ニュー・ラナークのアクセス
ニュー・ラナークのアクセス方法・行き方はスコットランド最大の都市・グラスゴーから行くとすると、グラスゴー・セントラル駅(Glasgow Central Station)からラナークまで所要約1時間で、30分に1便程度。ニュー・ラナークはラナーク駅から2kmほど離れており、バス、タクシーもしくは徒歩20分くらいのところにあります。
帰り道は上り坂になるので、バスかタクシーの方が便利です。バスはラナーク駅を出た東側にあるバス・ロータリーからニュー・ラナーク行きの135番のバス(1時間おき)に乗ります。
ラナーク駅そばのバス・ロータリー
135番のバスに乗ります
ニュー・ラナークのバス停留所。バス停らしきものはないけど
【スコットランド・世界遺産】ニュー・ラナーク
バス停から階段を下りていくと、上の写真のような風景が眼下に広がっています。これがニュー・ラナーク、ロバート・オーウェンが創り出したユートピアです。今はアトラクションになっているニュー・ラナークで、見学者はまずビジター・センターでチケットを購入します。
アニー・マクレオド・エクスペリエンス(Annie McLeod Experience)
乗り物に乗りながら、暗闇を走り抜け、産業革命の頃の工場と労働者の待遇に関する解説を聞きながら進みます。アニー・マクレオドという、かつてここで働いていた女の子の幽霊がニュー・ラナークでの生活を語ってくれるアトラクションです
ロバート・オーウェンの家
ロバート・オーウェンの書斎
ミルワーカーズ・ハウス(Millworker’s Houses)の中
当時の暮らしぶりが伺える労働者の家
紡績工場の様子。当時の機械が残されています
ヴィレッジ・ストア。かわいらしいお菓子がいっぱい
ロバート・オーウェンの学校
子どもの教育を重視していたロバート・オーウェンは、世界初の幼稚園をニュー・ラナークで設立しました
The Mill Cafe
カフェでひとやすみ
ニュー・ラナークからクライド川を沿って歩いていくと、ウォーキング・コースがあります。工場の周辺の自然は野生保護地区に指定されているため、気持ちのいい散策ができます。
ウォーキング・コース
クライド滝
ニュー・ラナークは日本で例えるなら富岡製糸場のような、たいへん貴重な世界遺産です。もし、スコットランドを旅行する予定がある方で、ニュー・ラナークに興味が湧いた方はぜひ足を運んでみてください。
ニュー・ラナーク Infomation
住所:New Lanark Rd, Lanark ML11 9DB UK
営業時間:4月〜10月:10:00〜17:00(最終入場16:00)
11月〜3月:月〜金曜日:11:00〜15:00、土・日曜日:11:00〜14:00
入場料:大人:13.95pound
詳しくはニュー・ラナーク・ビジター・センターの公式サイトをご覧ください
以上、スコットランドの世界遺産、ニュー・ラナークについて紹介しました。
ご参考にしていただけたら幸いです。
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